エッセイ

恋しいアジア!お腹もまんぷく美味しい食紀行

新旧の街並みが凝縮されたマカオ観光の魅力

日本から飛行機で4~5時間。世界遺産やカジノなど魅力満載のマカオ。しかし、あまりマカオのことを知っている人は少ないのでは?

ポルトガルから1999年に中国に返還されたマカオ。東洋と西洋が交差する街を歩けば世界遺産が随所にあり、近年では、総合型リゾートホテルが続々とオープンしていて、子供から大人まで幅広い層が楽しめるシティーリゾートとして変貌しています。

マカオは東京・世田谷区約半分の面積で、大きく4地区に分かれています。そのなかでも様々な一面を見せるのが、北部にあるマカオ半島エリア。ポルトガル統治時代の古き良き街並みが続きます。

■世界遺産の宝庫「マカオ半島」

かわいらしい欧風建物が続く道や広場を抜けると、目の前にはアジアの下町情緒あふれる路地が続いていた・・・そんなミックスカルチャーな街並みが魅力のマカオ半島。


マカオ半島

その至る所で出会えるのが、2005年にユネスコ世界文化遺産に登録された歴史建造物です。その数なんと30カ所!

代表的な世界遺産のひとつ聖ポール天主堂跡は、その昔、東洋一といわれた美しい教会でしたが、火災の焼失によってファザードと一部の階段壁が残るのみ。しかし、その存在感に圧倒されます。すぐそばには、市民の憩いの場であるセナド広場があり、こちらも世界遺産に登録されているのでチェックしてほしい散策エリアです。

他にも、半島南部にあるマカオ最古の中国寺院・媽閣廟、聖フランシスコザビエルの骨が祀られている聖ヨセフ修道院など見どころがたくさんあります。世界遺産の端から端までは、徒歩で1時間ほどの距離。なので、ゆっくり巡ったとしても半日あれば世界遺産を制覇できますよ。

■エンターテイメントの宝庫「コタイ」

マカオ半島から3本の橋でつながっている下島エリアは、地区によってその象徴がまったく違います。度肝を抜かれるのが、巨大な総合リゾートホテル群のコタイ地区。


コタイ

もう、何がすごいって、エッフェル塔やお城のような巨大ホテルや日本では建築不可能な複雑構造のホテルがいくつもあるのです。夜になればエンターテイメント性の高い噴水ショーが無料で楽しむこともでき、まるで地区全体がテーマパークのようです。

一流のホスピタリティを格付けするトラベルガイド「フォーブス・トラベルガイド」によると、50ある対象国のなかでマカオは5つ星がホテル部門、レストラン部門、共に12軒と最多都市なのだとか。カジノ、プール、劇場、など施設も充実していて、特にレストランは「美食の街マカオ」を象徴するように、中国料理の名店や海外上陸店もあったりして行きたくなるような店ばかりです。

コタイ地区を歩いていると、ホテルは見えているのに全然たどり着けないと思うことが多々あります。埋立地であるコタイはひとつひとつのホテルの敷地が広く、道も広く整備されていて、ちょっと疲れてしまうかも。そんな時は主要ホテルを巡回している無料バスを利用すると便利ですよ。

■ローカル食楽の宝庫「タイパ」

元々はポルトガル人の別荘地だったというタイパ地区。


タイパ

中心となる官也街周辺は、粋なポルトガルレストランがあったり、古くから営む菓子店があったり、コンパクトに様々な店が立ち並びます。食の観光地として整備されて新しい店も増え、若者や観光客に人気です。

お土産にぜひ購入したいのが、杏仁餅(アーモンドクッキー)です。まるで落雁のようにホロホロと崩れるクッキーは、杏仁の風味が心地よく、誰もが好きな味かも。また、食べ歩きには、フルーツの王様であるドリアンアイスもあったりするのでチャレンジしてみてくださいね。

■ノスタルジックの宝庫「コロアネ」

マカオを南下すると、豊かな自然に囲まれたなんとも雰囲気のあるエリアへ。


コロアネ

他の地区とはまったくの別世界です。地元の人が八百屋さんや乾物屋さんに行ったり、はたまた洗濯物を干したり、井戸端会議をしていたり、どこを歩いてもローカルな村の雰囲気があってのんびり過ごせます。気分は地元民という感じ。ビーチやハイキングコースもあるのでアウトドア派にもおすすめです。

観光客の目当ては「ロード・ストウズ・ベーカリー」のエッグタルト。島内8店舗用に1日2万個ものエッグタルトを焼いています。卵の風味が優しくて、トロリ&ふんわり&サクサクです。実はこの店、大阪にも進出しているんですよ。本家との食べ比べも楽しそう。

いかがでしょう。マカオならば、2泊3日程度の週末旅行でもすぐに行けちゃうので、新旧の街並みや美食を楽しんでみてくださいね。

プロフィール

伊能すみ子

アジアンフードディレクター/1級フードアナリストアジア料理を得意とし、旅をしながら食の楽しさを探究。メディアを中心にアジア食品の提案、店舗リサーチ、食文化コラム執筆など幅広く活動。また、ごはん比較探求ユニット「アジアごはんズ」では、シンガポール担当として、東南アジア4カ国の食べ比べイベントを不定期で開催している。

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