エッセイ

台所から旬だより

2021年は土用に要注意! ~水運不及の年の乗り越え方~

2021年は「水運不及(すいうんふきゅう)」の年。「水」を象徴するものが足りなかったり、偏りが出たりする年です。
薬膳や東洋運命学では「水」は、成長・発育・老化を司る五臓「腎」と関係していると考えます。身体面では、腎臓や膀胱、骨や歯、髪の毛、耳、足腰、膝、関節に不調がみられやすくなり、感情面では、恐怖や驚きにとらわれ、やる気や根気が衰えやすくなります。
つまり、心身ともに不安定になりやすい年といえるんです。

また、「水」を象徴するものに五徳「智」があります。五徳とは、薬膳や東洋運命学のベース陰陽五行思想にあるもので、道徳的な能力や資質を「木=仁・火=礼・土=信・金=義・水=智」の5つに分類したものです。智とは、常に学び、物事の道理を知って正しい判断をし、処理していく能力のこと。今年はその智が不足するため、道理の通らない人が増え、他者の意見や価値観を尊重しない世の中になるという暗示があります。
新型コロナウイルス対策の迷走も、科学技術や専門家の「智」を尊重せずに、経済対策を優先し続けていることに原因があるように思えてなりません。
閑話休題。

そんな心身ともに不安定になりやすい2021年ですが、その中でも特に注意して欲しい時期があります。それは年に4回訪れる「土用」です。土用とは、各季節の終わりの時期であり、次の季節への移行のための調整期間。体も心も運気も不安定になり、浮き沈みが激しくなるため、毎年毎年しつこいくらい「土用には注意してくださいね」とお伝えしています。

詳細は省きますが、水運不及の年は五臓「腎」の力が不足することによって、例年以上に土用期間に注意が必要です。土用の養生の基本は、規則正しくバランスのとれた食生活、腹八分目を心がける、発酵食品を意識して食べるなどありますが、そこに不足している「水運」を補うものプラスしてください。
例えば、黒胡麻、黒豆、黒木耳、わかめ、海苔、ひじきなど色の黒い食べ物。アサリ、いか、いわし、海老など魚介類、その他では豚肉や味噌や醤油などもおすすめですよ。

また、「智」を高めるために学び続けることは、水運不及の年の土用期間の開運行動です。
毎日の暮らしの中で不安や恐れを感じるものがあれば、自分で調べたり、誰かに相談したりしましょう。自ら学んだことは、自分を守る盾になり、鎧になります。誤った情報や偏った意見に惑わされないように正しい知識を身につけないと!

ちょうど今は春の土用(4/17~5/4)です。体調管理に励みつつ、予定を立てる際には、なるべく無理はせず、体と心と時間に余裕をもたせるようにしてください。そして、五徳「智」を補い、高めるために日々学び続けましょう。

プロフィール

高倉知子

薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。

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