エッセイ

台所から旬だより

秋の味覚を味わい尽くそう!「あったか果物」のすすめ

食欲の秋ですね~。

秋の味覚といえば、新米、さんま、さつま芋、銀杏、栗、柿、梨、いちじく、ぶどう、りんごなど、数え始めたらきりがありません。
そんな秋の味覚の中で、みなさんがハマっているものってありますか?
薬膳料理講師として、運命学鑑定師として、体と心を整えて運をよくする食べものをお伝えしている私が最近ハマっているものは温かい果物です。
今まで「やっぱり果物はそのまま食べるのが一番!」と思っていたのですが、ここのところ蒸したり、焼いたり、炒めて食べる「あったか果物」に夢中です。
夢中になったきっかけは、レッスンの際に「果物を食べるとお腹が冷えるような気がする」とか「冷え性に果物ってよくないんでしょ?」というお声が多かったから。
そうそう、水分の多い果物って体を冷やすイメージがありますよね。
確かに、薬膳でも果物の多くが「寒涼性」に分類されています。

ところで、薬膳の基本に「五気」というものがあります。
五気とは食べものが持つ働きを表す言葉で、体を温めたり、冷やしたり、そのどちらでもないといった性質を「寒・涼・平・温・熱」の5つに分類するというもの。
寒性の食べものには体を冷やしたり、潤したりする働きが、熱性の食べものには体を温めたり、気血の巡りをよくしたりするという働きがあります。
例えば、寒い冬は温熱性のものを食べて体の中から暖まる。暑い夏は寒涼性のものを食べて体の中から涼しくなる。
といったように、五気の働きを知っていれば季節に合った養生が無理なくできるのです。

冒頭でも書いたように果物の多くは「平~寒涼性」に分類され、秋が旬の柿や梨、いちじくは涼性、ぶどうは平性です。
この五気は加熱したからといって「寒性→熱性」に変わるといったことは一部の例外を除いてほぼありません。
でも、火を通したり、温熱性の食べものと合わせたりすることによって、寒涼性の性質を緩和することはできるんです。
生のものとは違った食感や風味を楽しめる上に、体の冷えを気にしないで済むなんて、あったか果物は冷え性に悩む方におすすめの食べ方ですよね!

また、空気が乾燥してくる秋は空咳や声がれなどの症状があらわれやすくなります。
そんな時におすすめな果物は、五臓「肺」を潤して咳を止める働きを持つ柿や梨。
お腹や体が冷えやすい柿や梨でも、グリルで焼く、蒸し器で蒸すといったように加熱調理して食べればおいしくって体にいい薬膳おやつになるんですよ。
私もハマっている「あったか果物」、みなさんも食べてみませんか?

プロフィール

高倉知子

薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。

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