エッセイ

47のシアワセを追いかけて

町がまるごと食のテーマパーク! 無国籍タウン・ヨコハマの旅

ヨコハマは、やっぱりカタカナです。

振り返れば、東海地区に住む純朴な少女だった私は、港町ヨコハマにずっと憧れを抱いていましたっけ。外人墓地に中華街、港が見える丘公園。「山手のドルフィンは~」なんてユーミンの歌に胸をときめかせたものです。

そう、はじめての旅もヨコハマでした。あれは国鉄がJRになる日。

高校を卒業したばかりの春のこと。4月からJRに切り替わる国鉄最後の一日、3月31日は新幹線を含め、あらゆる列車が乗り放題になると聞いたのです。「謝恩フリーきっぷ」という6,000円の切符をひしとにぎりしめ、友人とともに日付けが変わった直後の夜行に乗りこんだのです。東海道線で約6時間。横浜駅に着いたのは早朝でしたが、憧れのエリアをそぞろ歩きするだけで胸がいっぱいになったことを覚えています。

あれからウン十年。それなりに人生経験を蓄えてしまった今の私が、ひそかにあこがれる場所はきらきらしたフレッシュなヨコハマではなく、どちらかというといぶし銀なエリア。それは野毛や関内、伊勢佐木町に長者町!

野毛は、東京でいうと新宿と池袋と上野と新橋を合わせたようなところ。当然ながらおしゃれな街ではなく、こじんまりとアットホームな一杯飲み屋が並ぶ大人の歓楽街です。流行を追いかけただけの店や、判で押したように個性のないチェーンの居酒屋などがほとんどなく、自慢の逸品やもてなしを誇るハイレベルなお店ばかり。さまざまな国の料理が豊富なのも楽しいのです。

夕景アジアンなネオン瞬く原色の中華街。あるいは舶来という形容詞が現役な洋食店、珍しいところでは甘味噌がきいた満州焼きを名物とする焼き鳥店、馬肉の稀少部位や、馬と鹿を合わせた「馬鹿鍋」の人気店、新しいところでは横浜野菜や地ビールも充実。さらにはインド、ロシア、ギリシャ、アラビア…とおいしいもの、めずらしいものだらけ!

舌鼓を打ちながら、ついついお酒も進みます。まさに気分は「舌の万国博や~♪」(彦磨呂さん風)

でも。個人的に横浜の味をひとつに絞るなら…なんといってもそれはシウマイ♪ 簡単には語りつくせないシウマイへのつのる想いは、またの機会に続きます♪

プロフィール

杉浦美佐緒

愛知県出身。カメラマン・編集者を経てフリーライター。旅をはじめ、美容・健康・癒し・ライフスタイル全般を幅広く手がける。好きな食べ物は熊本の馬肉、京都のサバ寿司、仙台のずんだもち。憧れの旅人は星野道夫。旅のBGMは奥田民生の「さすらい」~♪

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