エッセイ

47のシアワセを追いかけて

お伊勢さんで究極のアンチエイジングを学ぶ!? 三重の旅

伊勢神宮は日本の神社の最高峰。昨年(平成25年)は20年に一度の式年遷宮の年でもあり、神社女子の私、この年2回目の伊勢参りです。

伊勢神宮には外宮と内宮があり、外宮にまつられるのは豊受大御神で、こちらは食べ物や穀物の神様。最高神である天照大神がいらっしゃるのは内宮のほう…とまあ、基本情報はここまで。

いやあ、やっぱり旅はグルメでしょう!

近鉄電車を降り、外宮までは歩いて7、8分。参道に参拝客目当ての飲食店が並ぶなか、由緒正しい風情でダントツに目立っている「伊勢せきや」へ。白いのれんもすがすがしく、しっとりしたたたずまいに心洗われるよう。

ここの自慢はなんといっても…上品なふっくら味の「参宮あわび」! うまみたっぷり「鯛のたきこみごはん」! 「海鮮珍味」!二階のレストランで神宮の森を眺めながら山海の珍味に舌鼓をうち…。ああ、シ・ア・ワ・セ。

外宮のお参りをすませ内宮へ。15分ほどバスに乗り、到着したそこは…そこは本格派グルメ天国!それも江戸時代からの!テーマパークじゃありません。だって本物ですから。内宮横の「おはらい町」や「おかげ横町」は年末のアメ横か竹下通りかというほどの大賑わいです。

天下の「赤福」、絶品牛丼の「豚捨」、伊勢うどん、てこね寿し、そばに甘味と、もうアドレナリン放出しまくり。そう、伊勢は「美し国(うましくに)」と呼ばれるほど豊かなところなのです。

さて。

煩悩全開の不心得者がようやく鳥居をくぐると、そこには別世界が。五十鈴川にかかる宇治橋を渡りはじめると、昂ぶっていた心がすうっと鎮まってくるのです。

なぜそんなに伊勢神宮が特別なのか。

五十鈴川今回、五十鈴川の御手洗場で川の水に手をひたした瞬間、「そうか!」と腑に落ちました。ここがありがたいのは、きよらかなこの森、この水、この自然ゆえだと。伊勢神宮は広大な鎮守の森の中にあります。余計なものをそぎおとして、ただの“わたし”に立ち戻らせてくれる、人間も自然の営みのひとつにすぎないと気づかせてくれるからです。

さらに、式年遷宮では二十年で真新しいお宮に建て替えられますが、根底にあるのは「常若の精神」。とこわか、と読みますが、定期的に建て替えることで神様はいつもみずみずしさを保っていられるという考え方です。

変わるものほど変わらないという逆説的な真実。この世に変わらないものはなく、変わっていくから永遠でいられると。

うーん。いわば究極の不老不死。であれば、常にバージョンアップを目指すべきだと気持ちを新たにした私でした。

それにしても、ああ、食べすぎた。

プロフィール

杉浦美佐緒

愛知県出身。カメラマン・編集者を経てフリーライター。旅をはじめ、美容・健康・癒し・ライフスタイル全般を幅広く手がける。好きな食べ物は熊本の馬肉、京都のサバ寿司、仙台のずんだもち。憧れの旅人は星野道夫。旅のBGMは奥田民生の「さすらい」~♪

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