エッセイ

台所から旬だより

猛暑によるダメージを回復させよう! ~蒸し料理のすすめ~

身の回りのものの値上げラッシュが止まりませんね。買い物に行くたびに「あれも高い。これも高い」とため息ばかり出てしまいます。
その上、今年は日本のみならず、世界各地での猛暑により、農作物の収穫にも大きな影響が出ています。栄養があっておいしくて安いはずの旬の食材までもが手に入りにくい状況になるなんて……。
日々の食事作りはもちろん、薬膳レッスンやランチ会などのメニュー作成にも頭を悩ます毎日です。

食材高騰や物価高の問題は、個人の節約術だけではどうにもできません。
「家計が厳しい!」という声が多い中、まったく影響を受けていない方々もいらっしゃるようで……。
国民の代表のはずの内閣総理大臣が都内のスーパーを視察して、食材高騰を確認したのが、10月16日だとかなんだとか。いやはや、ちょっと遅すぎるのでは?

「食品や日用品や光熱費、すべてが高い!」「物価高騰をなんとかして欲しい!」と、政治に声を上げるのにも気力と体力がなければ続きません。
猛暑によってダメージを受けた私たちの体と心を回復させて、今のこの状況を乗り切るためにも、薬膳の知恵をいかしてください。

食品高騰が続く中、秋の味覚のひとつ芋類は比較的安定した価格だそう。今回は芋類の中でも馴染み深い「じゃがいも」を推したいと思います。

薬膳ではじゃがいもは、体を冷やすものでも、温めるものでもなく、ちょうど真ん中の位置の「平性」の食べ物と分類します。つまり、寒がりさんでも暑がりさんでも、寒い冬でも暑い夏でも。毎日の献立に取り入れやすい食材というわけなんです。
しかも、胃腸を優しく整えて、体を元気にするという効能もありますし、長引いた猛暑により疲れ切った私たちの体にぴったりな食材ではないでしょうか?

そんないいことずくめに思えるじゃがいも。でも、食べる量はもちろん、食べ方にも少し注意が必要。
猛暑からの急な冷え込みや朝晩の寒暖差によって、今の私たちの体は思っている以上にダメージを受けています。揚げたてのフライドポテトは美味しいものですが、揚げ物は消化に時間がかかり、弱った体にはちょっと不向き。

そこで、おすすめなのが「蒸し料理」。
蒸気の上がった蒸し器にじゃがいもを入れて蒸すだけで、体と心を潤す料理ができちゃうんです。
蒸し器でじっくり蒸されたじゃがいもは格別のおいしさです。まずは、お塩をぱらりとふって食べてみて!

野菜を蒸すのに慣れたら、お肉やお魚を蒸したり、もち米を蒸したりするのもおすすめです。
手間のかかる調理法のお料理を毎日続けるのはちょっと大変。でも、蒸し料理なら毎日のように続けられるのでは?

旬の食材を蒸し器でじっくり蒸して食べ、体と心を整えて潤して、厳しい時代を生き抜くための気力と体力を取り戻しましょう!

プロフィール

高倉知子

薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。

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