エッセイ

台所から旬だより

猛暑の夏を乗り切れ! ~お昼寝のすすめ~

今年もまた、連日のように「外出は控えて、運動は中止を」という防災速報の通知がひんぱんに来る季節になりました。一体いつから「命に関わる危険な暑さ」とか言われるようになったのでしょうか。

今年6月に発表されたウェザーニュースによると、「2023年の夏の気温は、全国的に平年より高く、暑い夏になる」とのこと。「7月下旬から8月初旬」が暑さのピークと言われていますが、東京では7月初旬に猛暑日が始まりましたし、もうすでに暑さでぐったりという方も多いのでは?

毎年毎年「日本の夏ってこんなに暑かったっけ?」と言いたくもなりますが、世界の平均気温も過去最高記録を更新しているそう。
これはもう全世界的に、暮らし方や働き方を変えるべき!
海外に目を向けてみれば、「昼寝」や「シエスタ」と呼ばれる「昼休憩」の習慣がある国がありますし、年々過酷になる日本の夏をどうにかやり過ごすためにも、「昼寝」のための「昼休憩」の時間を作る必要があると思うのです。

実は、薬膳的にも「昼寝」の習慣はかなりおすすめなんです!

薬膳では、夏は五臓のひとつである「心(しん)」の働きにトラブルが起こりやすいと考えます。
どんな症状があらわれるかというと、落ち着きがなくなる、イライラしやすくなる、物忘れをしやすくなるなどがあります。
確かに暑い日が続くと、自分自身の感情はもちろんのこと、イライラによる対人トラブルを目にすることも多いような気がします。
だからこそ、こころと体をクールダウンさせるために「心」を助ける養生が大切なんです。

写真

食養生だったら、「苦味」のある野菜を食べたり、お茶を飲んだり、「赤い色」の食べ物を食べたりするなどがあります。
苦味に分類されるものは、苦瓜やレタス、緑茶やコーヒー。赤い色のものは、梅干し、トマトやすいかなど。できる範囲で大丈夫なので、なるべく加熱調理して、温かいままか常温に近い状態でとるようにしてくださいね。
そして、生活養生だったら、「心」と関係する「午(うま)の刻」である午前11時から午後1時までの間をゆったり過ごすようにするなどがあります。

つまり、なるべくゆったりとした気持ちで昼食を食べて、10~30分程度のお昼寝をすることによって、「心」の働きを助けることができるんです。
とはいえ、忙しい現代ですから、誰も彼もがお布団に入ってぐっすり眠るなんてことは難しいと思います。
でも、机に突っ伏したり、椅子に深く座ったりして、十数分なら眠ることはできるのでは?
どうしても眠れないという方は、椅子に腰掛けてほんの数分でいいので目を閉じてみてください。たったそれだけでも、こころと体を休ませることができますよ。

猛暑の夏を乗り切るために、「心」を労わるものを食べたり飲んだり。そして、大人も子供もお昼寝を習慣化させましょうね!

プロフィール

高倉知子

薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。

薬膳GOHAN

写真
このシリーズの一覧へ
エッセイをすべて見る
47PRとは
47PRサービス内容