エッセイ

恋しいアジア!お腹もまんぷく美味しい食紀行

フレッシュココナッツを求めてタイの旅

アジア屈指の観光大国といえばタイ!名物料理もたくさんあり、日本でもグリーンカレーやマッサマンカレー、カオマンガイなどが人気ですよね。近年では、空前のパクチーブームもあり、より一層タイ料理が身近な存在になっているのではないでしょうか。

タイ料理に欠かせないのがココナッツです。特にココナッツミルクは料理やデザートに多用されています。そういえば、アメリカ人モデルのミランダー・カーが”ココナッツオイルは美容に良い”といって、日本でも一気にその知名度が上がりました。ミルクもオイルも同じココナッツから抽出されたもの。そう、ココナッツは捨てるところが無いほどに優れモノなのです。そんなココナッツの魅力をバンコクから1時間ほどの郊外を回り、体感してきたのでご紹介しましょう。

【ココナッツの魅力その1~日本では味わえないフレッシュ感~】
みなさんは、ココナッツの実を見たことがありますか?日本では、タイ食材店で購入できますが、一般的なスーパーでは取り扱いがないので、実物を見たことが無い人も多いでしょう。

ココナッツ

ココナッツはヤシの木の実です。熱帯地域で育ち、高い木は30mにもなるほど。木の高い位置に実をつけるので、人が登って実を切り落とします。また、幹から樹液を取ったりもします。


果肉

こちらがココナッツの中身。皮の内側には、びっしりと白い果肉がついていますね。艶やかな透明感のある果肉はとても美しい~。スプーンで簡単にすくえるほどに柔らかく、まるでゼリーのような食感。果肉自体は淡白な味で甘さ抑えめ、これは女性が好みそうです。さらに、液状胚乳であるココナッツウォーターもたっぷり。これは、ナタデココの原材料でもあるんですよ。ちょっと青々しさがありますが飲みやすかったです。フレッシュなココナッツを食べられるのも現地ならではですね。

【ココナッツの魅力その2~バリエーションの豊富さ~】
ココナッツの実は知らなくても、ココナッツミルクやココナッツファインは知っている人も多いのでは?ココナッツファインは、スイーツに使われる粒状の乾燥ココナッツのことです。スーパーでも購入できる身近な存在ですが、どのようにして加工されるのでしょうか。


ミルク

ココナッツの果肉は乾燥させることで水分が飛び、とても固くなります。これは、専用の器具を使わないとカットできないほどです。実際に果肉を削る体験をさせていただきました。これがけっこうコツがいる作業でした。ギザギザの刃先を果肉の湾曲に沿って押し削っていきます。均等に削らないと中心だけ削れてしまうし、やりすぎると表皮の繊維まで削ってしまい、果肉に混じってしまいます。力もいるし、大変だけどすごく楽しかったです。

削ったものは、絞るとココナッツミルクになり、乾燥させるとココナッツファインになります。味わってみると、私たちが知っている濃厚なココナッツの味になっていました。スーパーで並んでいる商品は機械で作業されますが、体験とはいえ、このように作られていたなんてビックリです。

【ココナッツの魅力その3~万能調味料に変身~】
東南アジアでは、植物から採った砂糖が数多くあり、ココナッツもその中のひとつです。パームシュガーやココナッツシュガーは、ヤシの木の樹液から作られていて、市場や露店でも頻繁に売られていました。至る所にヤシ農園があって需要の高さを感じます。


シュガー

砂糖の原料である樹液を収穫するが一苦労。幹の切り口に受け用の容器を設置します。朝夕2回、ヤシの木の茎から樹液を収穫。1日約3L分が取れるそうです。樹液蜜を1時間ほど煮詰めていくと、粘度のある状態に変化していきます。これを型に入れて成形するのです。さっそく型入れにトライしましたが、すばやく作業しないとすぐに固まるのから難しい。煮詰めることで密度のある砂糖になり、とてもミルキーで優しい甘味になります。料理に使っても尖った甘味ではなく、全体にマイルドな味になるので、色々と使いたくなりました。日本で手軽に購入できないのが残念なくらい、日常の料理にもぜひ使ってほしい砂糖なのです。

今回の旅は、タイ政府観光庁と人気飲食店「マンゴツリー」が主催されていて、案内をしていただきました。ツアー内容は、タイ・プーケット旅行専門店「エーアンドエー」によって、プログラムが組まれています。もちろん、ココナッツだけではなく、タイ食材の農園や塩田見学など、普通の観光では体感することができない貴重な体験をしてきました。今後、タイの食の魅力を日本の人にも体感してもらうためのツアーを実施予定なので、気になる人はぜひ今後の情報をチェックしてみてくださいね。

プロフィール

伊能すみ子

アジアンフードディレクター/1級フードアナリストアジア料理を得意とし、旅をしながら食の楽しさを探究。メディアを中心にアジア食品の提案、店舗リサーチ、食文化コラム執筆など幅広く活動。また、ごはん比較探求ユニット「アジアごはんズ」では、シンガポール担当として、東南アジア4カ国の食べ比べイベントを不定期で開催している。

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