エッセイ

恋しいアジア!お腹もまんぷく美味しい食紀行

日本式飲食店はデートスポット?「ハレの日」に食べるラーメン【シンガポール】

“い・ら・っ・し・ゃ・い・ま・せ~”
いきなりの片言日本語でお出迎えだ。
ここは日本ではない。赤道直下の国、シンガポール。

若者が集まるエリアにある「麺屋武蔵 鷹虎」。日本でも行列ができる人気店だ。店内を見渡せばカップルばかり。さすが若者の街と思いきや、実は日本企業の飲食店は、“デートスポット”なのだ!

現地価格に比べて3倍はする高級ラーメン。何故行くのかと聞けば、「日本のラーメンは美味しいし、おしゃれでしょ」という。日本のカウンター席メインの店とは違い、広々としてテーブル席も多い。仲良くメニュー選びも楽しいわけだ。

ラーメンは濃厚豚骨のスープに細麺と日本にいるような錯覚を起こす。周りは焼き餃子とセットで食べている人が多く、麺が伸びてもラブトークは終わらない。常に満席状態で、家族連れの姿もみられる。一人の私は、逆に恥ずかしい。

現地になじむ日本のラーメン屋を後に、「いらっしゃいませ」の声がこだまする。

参考
麺屋武蔵 鷹虎:「赤鷹虎ラーメンセット(餃子3個付き)」S$17.55(消費税7%+サービス料10%込み)約1400円(2014年1月訪問時)

プロフィール

伊能すみ子

アジアンフードディレクター/1級フードアナリストアジア料理を得意とし、旅をしながら食の楽しさを探究。メディアを中心にアジア食品の提案、店舗リサーチ、食文化コラム執筆など幅広く活動。また、ごはん比較探求ユニット「アジアごはんズ」では、シンガポール担当として、東南アジア4カ国の食べ比べイベントを不定期で開催している。

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