エッセイ

台所から旬だより

食材高騰に負けるな! ~乾物のすすめ~

全国的な天候不順、自然災害の影響で野菜やさんまなど食材の高騰が続いています。
「この時期ならではの楽しみ!」と待っていた旬の野菜や魚に思わぬ高値がついているのを見て財布の紐を握りしめることもしばしば。
当たり前のように思っていた旬のものをシンプルに食べるといったことが、こんなにもはかないものだったなんて…。と、ついついぼやいてしまいます。

薬膳の基本は「旬のものを、そのままの形に近い状態で、シンプルな調理法で食べること!」と言い続けてきましたが、今年のこの状況では難しいかもしれません。

とは言え、大事に育てた作物を無事に収穫できなかった生産者の方々を思ったら、そう嘆いてばかりはいられません!
どんな時でも、様々な知恵と工夫をいかすことが大事ですよね。

というわけで、今わが家で大活躍しているのが冷凍野菜や乾物です。
旬の時期に収穫したものを急速冷凍したり、乾燥させたりすることによって長期保存が可能になった食材の数々に助けられています。
冷凍野菜と乾物、どちらも使い勝手がよいものですが、乾物のよさは便利さだけではありません。
「干す」ことによって栄養価は高まり、旨味や香りもギュッと濃縮!
基本的に水やぬるま湯で戻すだけ、戻し汁も料理に使えるお助け食材の乾物。
実は、薬膳食材と言われる「食薬」も含まれているんです。
食薬というと「なかなか手に入らないものでは?」と思われるかもしれませんが、身近な食材の中にもたくさんあるんですよ。
たとえば、胡麻や黒木耳(黒きくらげ)などは「血」を作ったり、巡りをよくしたりする働きがあることから、普通の食材よりも効果が高いと言われる食薬に分類されます。
そう聞くと、ふだん何気なく食べているものも薬膳料理になるということがわかりますよね。

ところで、食材高騰も気になりますが、この時期に気になると言えば「乾燥」ではありませんか。
そこで、食材高騰にも負けず、乾燥対策もできる薬膳料理を紹介したいと思います。
それは何かというと「白和え」です。
秋の食養生におすすめ食材の豆腐と白胡麻で和え衣を作り、肌や髪の乾燥トラブルに効果抜群の黒木耳や金針菜、枸杞(くこ)などを加えて作る「薬膳白和え」はレッスンでも人気メニューのひとつなんですよ。
白和えに欠かせない豆腐は、通年価格が安定している上に栄養価も高く、家計の味方の食材です。
黒木耳などの食薬もお手頃価格で手に入るので、ぜひこの機会に色んな料理に使ってみてくださいね。

あらゆる食材が高騰している今、そして肌や髪の乾燥が気になるこの時期、旨みや栄養がギュッとつまった乾物生活をはじめてみませんか?

プロフィール

高倉知子

薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。

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