エッセイ

台所から旬だより

薬膳食材で九月病を吹き飛ばせ!

全国各地で猛暑日が続いた夏も終わり、秋の気配が感じられるようになりましたね。
「食欲の秋」「行楽の秋」「芸術の秋」などと称されるよう、過ごしやすい気候のこれからの時期は楽しいことが盛りだくさん!

でも、そんなわくわく気分の秋本番の前に訪れるのが「五月病」ならぬ「九月病」。
どうも疲れがとれない。やけに眠たかったり、反対に眠れなくなったり。
なんだか気持ちが落ち着かない、どうにもやる気が出てこない。
物悲しい気持ちになったり、心がそわそわして不安な気持ちになったり。

みなさんもそんな症状が気になったことはありませんか?
もしかしたらそれは「九月病」かもしれません。

ムシムシ・ジメジメした夏の暑さによってダメージを受けた身体が、気温や日照時間の変化などについていけず、さらに疲れることによって起きるとか。
お盆休み・夏休みなど「お休みモード」から「仕事モード」に切り替える際のストレスから起きるともいわれています。

実は薬膳でも「秋」は「悲・憂」の感情にとらわれやすい時期と考えます。
外に発散していく「陽の季節(春夏)」から、内に蓄えていく「陰の季節(秋冬)」に変化する中、悲しみが生じやすいといわれているのです。
これはある意味「自然な感情」なので、「なんとなく物悲しい」といった感情をそのまま受け入れるのも悪い事ではありません。

でも、蒸し暑かった夏も終わり、涼しくなって過ごしやすくなる秋に、ネガティブな感情にとらわれ過ぎるのはもったいないですよね。

こんな時こそ「薬膳の知恵」の出番というわけで、今回はおすすめの薬膳食材をご紹介したいと思います。
それは何かというと、憂いを忘れるという「忘憂菜(ぼうゆうさい)」という別名まで持つ「金針菜(きんしんさい)」です。
金針菜は心の安定と深い関わりを持つ五臓の「肝」の働きを助け、心と身体を潤わせるという「補血」の効能があるといわれています。

写真は、そんな素晴らしい効能を持つ金針菜とあさりで作った焼きそばです。
春と秋に「旬」を迎えるあさりには、「補血」や「安神」といった効能があるので、金針菜との組み合わせは「九月病」の症状にぴったり!

そうそう、薬膳では「春」も心が不安定になりやすい時期と考えます。
やっぱり「旬のものを意識して食べる」ということは、それだけでもう「薬膳」なんですよね。

気候が穏やかで過ごしやすい秋は「身体と心を整えやすい時期」だといえます。
夏の疲れをひきずったまま「九月病」にならないよう、そして楽しい秋を過ごせるよう、からだによくておいしい旬のものを食べましょうね!

プロフィール

高倉知子

薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。

薬膳GOHAN

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