エッセイ

世界の地元メシ

デーツバターと干し柿バター

先日、知人から干し柿をいただいた。実は私、人生で干し柿を食べたことがなくて、笑顔でもらいはしたものの、かなりうろたえた。家に帰って、さっそく袋をあけ、一口食べてみると、ねっとりと甘い。しかし、この粘度の甘さを、続けて食べるのは無理だなと思った。

アレンジ方法を検索すると、世の中の多くの人たちは干し柿エンジョイライフを送っているらしく、レシピが出てくるわ出てくるわ。その中で、もっとも簡単そうだったので、干し柿を適当に切って、バターに挟んで食べるやつを採用することにした。

要するに、レーズンバターの干し柿版ですな。やってみると、干した柿の濃くなった甘さと、バターの塩加減がよくて、おいしいではありませんか。機嫌がよくなったので、スーパーでカルピスバターを購入し、ちょっとまとめて作ってみた。で、作ってるときに、こういう食べ物をどっかで食べたんだが、と思ったら、デーツバターだったよ。

ローマから フィレンツェに数週間立ち寄り、皮なめし職人さんたちと、なんとなく、毎日お昼を食べていたことがあったんだ。職人さんたちはトルコ人なのだが、見た目が超絶に美しいので、一緒にいて、大変に気分が上がるランチタイムだったなあ。

で、彼らがランチと一緒に持ってきてるのが、レーズンバターならぬ、デーツバター。作り方は同じだけど、デーツがもっと細かい感じだった。それを缶みたいなのに入れたものをそのまま持ってきて、スプーンでほじって薄切りパンみたいなのにつけて食べてた。甘みも塩気も強いので、人によっては、生ハムで巻いたり、ハンバーガーみたいなのに挟んで食べてたよ。

彼らが、しょっぱいものや苦いものと合うって言っていたのを思い出したので、干し柿と春菊とルッコラのサラダを作ってみた。干し柿をダイスに切って、生の葉っぱと食べるだけ。ドレッシングは、バルサミコと塩とオリーブオイルのみでOK。砕いたナッツを入れてもおいしい。

そしたら、次の日、こんどは、干し柿にクリームチーズが挟んであるものをいただきましたよ。……干し柿、はやってんのか?

調べたら、これは干し柿とクリームチーズのミルフィーユという、ポピュラーな食べ物だったよ。小さいからすぐに食べ終わってしまった。おうちにはまだ干し柿がいっぱいあるので、KIRI、フィラデルフィア、よつ葉などの銘柄を買ってきて、試してみたよ。

個人的にはフィラデルフィアがクリームっぽさとの相性が良くて気に入った。でも途中で、KIRIのほうが、出してそのまま乗せれば食べられることに気が付いたので、KIRIに軍配をあげることにした。あの職人さんたちとは連絡先も交換しないでさよならしたけど、久しぶりに再会できた気分になったよ。

プロフィール

ほしのしょうこ

25年ほど雑誌・WEBマガジンなどで記事を書き散らしているフリーライター。 副業でWEBデザイナー崩れもしている。趣味は散歩と仕事。重度の放浪癖があり世界を鞄一つで浪漫飛行していた。現在は頑張って日本に定住中。

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