エッセイ

恋しいアジア!お腹もまんぷく美味しい食紀行

暑い夏におすすめ!ガッツリ食べたい「エスニックまぜ麺」3選

一気に気温が上がり、最高気温25℃以上の夏日を記録する地域が増えてきます。そんな時は麺料理が食べたくなりませんか?

ワタシが日常食べているのはアジア圏の麺料理が多く、熱々のスープ麺が多数あるのですが、意外にもタレと麺を混ぜるだけの「まぜ麺」の種類が多いことに驚きます。暑い日はスープ麺よりも、断然まぜ麺ですね。日本で食べることができるアジアの麺にはどんなものがあるのでしょう。

今回は、この夏に食べたい!都内で食べられるまぜ麺のおすすめ店をご紹介します。

フランスとベトナムの融合!野菜たっぷり「ボブン」

2021年6月にオープンしたアジア食堂「感動ボブン」(東京・千代田区)の名物が店名と同じ「感動ボブン」という米粉の麺料理です。店内はベトナムの路地裏にあるようなローカル食堂をイメージしていて、アジアでよくみかけるプラスチック製のカラフルなイスもあって、映えるデザインになっています。ベトナム料理を中心に点心などのアジア料理が楽しめるカジュアルなお店なんですよ。

「ボブン」とは、ベトナムで多用されているミントや葉野菜などがたっぷり入ったまぜ麺なんですが、実はフランスで人気の米粉麺なんです。なぜかというと、ベトナムは元々フランスの植民地だった時代があって、本国フランスでもベトナムの食文化が盛んなのです。そんな環境から、この麺料理が誕生しました。

「感動ボブン」(990円)

平打ちの米粉麺に、魚のエキスたっぷりのヌクマムや甘めのスイートチリソースなどを合わせた特製タレを絡めていただきます。とくかく具材が豊富なのが魅力で、牛肉、サニーレタス、ニンジン、キュウリ、パクチーなど、麺が見えないくらいにたっぷり。さらに、ベトナムでは定番の揚げ春巻きまで入っています。

豪快に混ぜていただけば、麺はモチモチとしていて食べ応えがあり、野菜とさっぱりとしたタレの味わいがとても良いのです。辛みのアクセントがほしい人はテーブルにあるチリソースを加えて味に変化をつけてもおすすめですよ。

  • 感動ボブン
    東京都千代田区内神田3-14-8ニシザワビルB1F
    11:30~14:30(L.O.14:00)、17:00~23:00(L.O.22:00)
    日曜・祝日は休み
    *現金は不可。キャッシュレス決済による支払いのみとなります。

まぜ麺は「ドライ!」な「フィッシュボールヌードル」

続いては、シンガポールの麺料理です。日本をはじめアジア圏では、かまぼこやさつま揚げのような魚のすり身を具材に使うことが多いのですが、こちらは魚のすり身を茹でた団子が主役になっています。

「新嘉坡麺飯店」(東京・中央区)は、シンガポール名物の茹で鶏ごはんである「新嘉坡海南鶏飯(シンガポールチキンライス)」と魚団子麺の「フィッシュボールヌードル」のお店です。シンガポールに在住経験のある店主さんが2021年11月にオープンされました。

メイン料理の「フィッシュボールヌードル」には、スープ麺とまぜ麺の2タイプがあり、シンガポールでは一般的に汁なし麺は「ドライ」という総称を使います。なので、この店でもまぜ麺はドライと呼ばれています。

「フィッシュボールヌードル」
*シンガポールチキンライスとの「ハーフ&ハーフセット」(1000円)

具材は魚団子のみというシンプルさ。特徴的なのは、魚団子が別の器にスープの具として提供されることです。料理名になっているのに、別添えのスープに入っているのが不思議なのですが、これが現地のスタイルなのです。

醤油ベースの特製タレが絡めてあり、魚団子を麺にのせて食べたり、添えられたチリバリというチリソースにつけて食べたりもします。麺を食べ進めると麺がくっついてしまうこともあるのですが、その場合はスープを少したらしてほぐすのもシンガポール流の食べ方です。しかし、決してスープごと麺にかけることはないので本当に不思議な食べ方ですね。

醤油の色合いからジャンキーな感じもしますが、意外にも味自体はしつこくなく、さっぱりと食べられるので、食欲がない時にもよさそうです。

単品ではMサイズ、Lサイズ、XLサイズがあるので、お腹のすき加減で選べるのが嬉しいですね。ぜひ、現地流の食べ方を楽しんでみてください。

  • 新嘉坡麺飯店
    東京都中央区日本橋富沢町15-6
    11:30~14:30(L.O.14:00)、17;30~21;30(L.O.20;30)
    日曜日、祝日、第1第3月曜日は休み

日本人向けにアレンジ!ミャンマー式油そば「油ビーフン」

最後は、ミャンマーの麺料理です。この麺はミャンマー人が現地の油そばをアレンジした麺料理で、現地では「チェーオーシージェ」といいます。調味油の麺のことで、ミャンマー料理は比較的、油を多用することが特徴です。

2013年7月に東京・高田馬場に油そば店専門店としてオープンした「油そば 力(ちから)」は、店名も料理名もあえて日本名で通しているミャンマー人経営のお店です。店主は居酒屋などの飲食店勤務経験があり、日本人にも食べやすい油そばを提供しようと、ミャンマー人コミュニティーの盛んな高田馬場で開業されました。

「油ビーフン」(1000円)

肉団子、レバーなどの臓物、うずら卵、青菜など、がっつり具沢山なビーフンです。醤油ベースのタレを絡めて食べます。テーブルには調味料もたくさん揃っていて、お好みで辣油や酢、柚子胡椒、ニンニクを加えたら、さらに風味が広がり、食欲が倍増して箸が止まりません。油そばといってもしつこさはなく、ボリュームたっぷりながらも、ぺろりと完食できちゃいます。

世界各国で食べられている麺料理は、元々は中国から伝わったものが多く、この油そばも中国由来のものです。日本人が思わず食べたいと思わせる絶妙な味なので、老若男女問わずおすすめです。

  • 油そば 力
    東京都新宿区高田馬場3-12-1久松ビル B1F~1F
    平日 11:00~22:00、日祝 11:00~21:00
    不定期休業

いかがでしたか? 夏はついつい冷たいものがほしくなりますが、逆に体をより冷やしてしまうこともあるので、このようなまぜ麺は、体に負担をかけずに食べることができますね。ぜひ、今年の夏はアジアのまぜ麺に挑戦してみてくださいね。

プロフィール

伊能すみ子

アジアンフードディレクター/1級フードアナリストアジア料理を得意とし、旅をしながら食の楽しさを探究。メディアを中心にアジア食品の提案、店舗リサーチ、食文化コラム執筆など幅広く活動。また、ごはん比較探求ユニット「アジアごはんズ」では、シンガポール担当として、東南アジア4カ国の食べ比べイベントを不定期で開催している。

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