エッセイ

台所から旬だより

心と体に染み渡る! 免疫力アップの薬膳スープのすすめ~

新型コロナウイルスの感染があっという間に世界中に広まり、「まさかの事態」が続いています。

前回のエッセイで

「2020年は波乱含みの試練の年」
「特に経済面が波乱含み」
「一般市民の生活に打撃」
「格差が広がる」

と書きましたが、予想以上の出来事に言葉を失います。前回のエッセイ

ウイルスという見えない敵に立ち向かわなければいけない今。 感染症にかからないよう、うつさないように注意を払って生活するだけでもストレスがたまるもの。

遅々として進まない政府の対応への不信感、不安を煽るばかりの情報、外出自粛や在宅勤務によるライフスタイルの変化などもストレス要因になっています。自粛要請が長引くにつれ、「コロナ疲れ」「コロナうつ」という言葉も目立つようになりました。

そんなストレスフルな今を乗り切るためにおすすめしたいのが、疲れた心と体に染み渡る免疫力アップの薬膳スープ。お鍋いっぱい作って、アレンジしながら毎日食べてもらうため、スーパーで手に入る材料だけで作れる簡単シンプルなレシピをご紹介します。

【材料(作りやすい量)】

  • 鶏もも骨付きぶつ切り肉・・・500g程度(手羽元や手羽先でも可)
  • 長芋・・・・・・200g程度
  • くこの実・・・12g
  • 黒木耳・・・・6g
  • 水・・・・・・・2リットル程度
  • 塩・胡椒・・・適量

【作り方】

  1. 黒木耳はたっぷりの水で戻し、長芋は水洗いしてひげ根をとってから1.5cm厚さの輪切り(大きい場合半月切り)にし、鶏肉は沸騰したお湯でさっと茹でて水洗いする。
  2. 大きめの鍋に鶏肉と水を入れて強火にかけ、沸騰したら弱火にしてアクを取る。
  3. 2に水気を切った黒木耳、長芋、くこの実を加えて、弱火のまま1時間~1時間半ほどゆっくり煮る。

まずは、味付けをせずにそのまま一口飲んでみてください。

骨付き肉から出た旨味、皮付きの長芋の風味、くこの実の甘味やかすかな酸味などがじんわり染み渡ります。その後、食べる分だけ器に盛り、塩・胡椒で調味してくださいね。

薬膳スープというと、とにかく「薬っぽい」ものが「たくさん」入ったものを思い浮かべるかもしれません。でも、目的に合った食材を組み合わせ、適した調理法で作れば、「いつもの食材」が薬膳料理になるんですよ。

鶏肉には「胃腸を温め、丈夫にする」「気や血を補う」といった働きがあります。胃腸にやさしい食材なので、シニア、小さなお子様、妊婦さん、体力が低下している病後の方にもおすすめです。

長芋には「肺の機能を高める」「胃腸を丈夫にして、体力をつける」といった働きがあります。ちなみに長芋を乾燥させたものは「淮山薬(わいさんやく)」という「中薬」で、生のものよりも効力があると言われています。

「ゴジベリー」という名前でも知られるようになったくこの実には「肝と腎の機能を高めて、筋膜や関節、骨を丈夫にする」といった働きが、黒木耳には「気や血を補う」「肺を潤して咳を止める」といった働きがあると考えます。

どれも免疫力を高める食材であり、病後の回復にも役立つもの。これらを弱火でじっくり煮込むことによって免疫力アップの薬膳スープができあがります。

薬膳スープのアレンジ例ですが、ポトフ風に具だけ先に食べるもよし。

旬食材の「春キャベツ」や「たけのこ」を加えたり、腸内環境を整える発酵食品「味噌」を加えたり。

酸辣湯風に黒酢、豆板醤、醤油、ラー油を加えたり、ビーフンや中華麺などを加えたり。

カレー粉やカレールウを入れて、薬膳カレーにするのもおすすめですよ。

誰もがしんどい時期です。家にいることができる人はそうしましょう。外に出て行かざるを得ない人は十分注意しましょう。

お互いの立場を尊重し、この厳しい局面を乗り越えましょう!

プロフィール

高倉知子

薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。

薬膳GOHAN

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