台所から旬だより
九紫火星の年と月の開運法と養生法 ~得るは捨つるにあり~
先日、何気なく観ていたドラマの中で「得るは捨つるにあり(うるはすつるにあり)」という言葉が出てきてハッとしました。
ドラマの主人公の少女は中国にルーツがあり、その言葉は祖母の口癖だったとのこと。 この「得るは捨つるにあり」というセリフを聞いて、私が真っ先に思い出したのが「離」という言葉。
「捨てる」と「離す(離れる)」って近いものがありませんか?
九星気学では、2018年は「九紫火星」という星が持つ象意が現れやすいと考えます。
九紫火星には、「麗しい」とか「礼儀作法」とか「教養」といった象意がありますが、それ以外で重要なものとして「離」があります。 離が付く言葉といえば、「離別」「離婚」「離散」など。
どれもこれも悪いことのように思えますし、できれば避けたい現象ですよね。
でも、今年に限っていえば、それらがすべて「悪いこと」とは言い切れません。 誰かとの別れや慣れ親しんだ場所から離れるということは、冒頭のドラマの中のセリフのように「何かを得るために、まず何かを捨てた」ということで、これからの未来につながるための「リスタート」の現象といえます。
そうそう、この「得るは捨つるにあり」は、薬膳の養生法にもあるんです。
例えば、暑さが厳しい夏には、「体内の過剰な熱を取り去ってから、失われた潤いを補う」などがそれにあたります。 必要な栄養を体に充分に行き渡らせるためには、まずはいらない物を出すことが大事! なんとなく悪いイメージがある「離」という現象ですが、東洋運命学的にも、薬膳的にもとても重要なものですよ。
さて、こちらのエッセイ公開月「7月」は、年と同様に「九紫火星」が司ります。
年と月が重なるため「離」の現象がさらに起きやすくなるのですが、「そんなに悪いものではないですよ~。」とお伝えしても、やっぱりちょっと不安になってしまいますよね。 そこで、よりよい未来につなげるための「離」の現象を高めるおすすめ食材をお知らせします!
それは、スパイス類。
ここで注意して欲しいのは、チリペッパーのような「辛味」が強いスパイスは控えめにするということ。
今月おすすめのスパイスは、体内の余分な熱を冷まして、胃腸の働きをよくするクミン、コリアンダー、ターメリックなど。
これらのスパイスを使ってすぐに作れるものといえばカレーですよね!
ルーで作るカレーもおいしいものですが、できれば今月は上記のスパイスを使って作ってみてください。 スパイス類で作るカレーは、過剰な冷房や冷たい飲食物で疲れ気味の胃腸に優しく、気の巡りもよくして、九紫火星が持つ象意のよい部分をさらに高めます。
「離」のよい作用は、自分にとってよくない縁や習慣などから離れることを手伝ってくれますよ!
例年以上に厳しい暑さの今夏、体と心と運気をよくするスパイス料理を食べて、元気に乗り切ってくださいね。
プロフィール
高倉知子
薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。