エッセイ

台所から旬だより

イライラ・不眠を解消!~「苦味」のすすめ~

夏真っ盛り。
暑い日が続いて、どうにもイライラがおさまらないという人。
夜、眠ろうとすると胸のあたりがザワザワして、なかなか眠りにつけないという人はいませんか?
薬膳では、イライラや不眠と関係する五臓は「肝」と「心」と考え、春になるとカーッとなりやすかったり、夏になると胸のあたりがモヤモヤしやすくなったりするといわれています。
また、胸のあたりがザワザワする不眠は、過剰なストレスによって「肝」と「心」に負担がかかることによって起こります。
その他にも、不眠の原因の中には「食べすぎや飲みすぎ」もあるということはご存知でしたか?
カロリーを過剰摂取すると体の中に「痰濁(たんだく)」という老廃物が生まれます。
その痰濁によって「肝」と「心」が熱を持ち、不眠の症状が現れることがあります。

春や夏になると楽しいイベントが増えますし、開放的な気分にもなるので、つい食べすぎたり、飲みすぎたりする人も多いのでは?

これらは薬膳の基本「天人合一(てんじんごういつ)」という思想から説明ができます。
天人合一とは、天(自然環境・宇宙)と人は統一体であり、通じ合っているものという意味で、ざっくり説明すると、人の心と体は季節や自然環境と密接な関係を持っていて影響を受けているということ。
人の心といえば、人には「七情(怒・喜・思・悲・憂・恐・驚)」という七つの感情があります。
七情は「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」と深い関係があって、怒は肝、喜は心に影響を与え合うといわれることから、春は肝の働きが乱れて怒りっぽくなりますし、夏は心の働きが乱れて喜びすぎることによって興奮しやすくなります。
ですから、天人合一思想においては、春や夏にイライラしやすいというのはある意味では自然なことなのかもしれません。
とはいえ、やっぱりイライラがおさまらない、夜寝付けないというのは困りもの。

そんな時に役立つ薬膳の知恵があります!
それは五臓「心」の熱を冷ます働きがある「苦味」の食べ物を食べるということ。
「苦味」の食べ物には、苦瓜やピーマン、レタスや茶葉などがあります。
これらを積極的に食べたり飲んだりすることがイライラや不眠を解消することにつながります。
そうそう、チョコレートの原料カカオも「苦味」の食べ物で五臓「心」の働きを助けてくれるので、砂糖少なめの高カカオのチョコレートでしたら、イライラや不眠解消につながる「薬膳おやつ」になります。
なんにせよ、「食べすぎや飲みすぎ」は不眠につながりますから、「腹8分目」を心がけることは忘れないでくださいね。

今年の夏も猛暑・酷暑になるとか。

誰もがイライラしやすくなる時期ですから、苦味の食べ物を食べて心も体もクールダウンさせて、楽しい夏の思い出を作りましょう!

プロフィール

高倉知子

薬膳GOHAN主宰 薬膳料理講師/東洋運命学鑑定師。2006年に国際中医師に師事。2008年に中医薬膳営養師の資格を取得。マンツーマン料理レッスン「薬膳GOHAN(旧:楽しく薬膳)」を主宰し、カウンセリングによる薬膳アドバイス、マンツーマン&少人数制の出張レッスン、薬膳料理代行、薬膳イベントやセミナー講師、レシピ提供やエッセイ寄稿など、心と体、暮らしを整えるための薬膳料理講師として 幅広く活動中。 また、陰陽五行説で薬膳とつながっている九星気学を扱う東洋運命学の鑑定師に師事。2014年より九星気学をベースとした東洋運命学のカウンセリングや講座なども行っている。

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