エッセイ

五感で感じるエッセイ『イン・ラケ'ッチ!』

至福のスイーツ

子供の頃、誕生日とクリスマス、そして、大事なお客さんが来た時にだけ、ショートケーキを食べさせてもらえた。真っ白な生クリームの上に、ちょこんとイチゴが載ったショートケーキは、ハレの日の象徴だった。

大人になって、スィーツは、頑張った自分へのちょっとしたご褒美や、友人と過ごす時間をさらに盛り上げるアイテムとなった。スィーツがもたらす幸福感は、女子ならきっと、誰もが体験しているに違いない。

今、巷にはたくさんのスィーツがあふれている。その中で、私にとって特別なのが「ハーブス」である。東京に進出して今年で8年目。今では都内のあちこちに店舗がある。

10数年前、私は、舞台の仕事で名古屋にいた。初日から千秋楽までノンストップに続く緊張の日々の中、ある日、共演者に誘われて、テレビ塔の近くにある「ハーブス栄本店」を訪れた。店に入るなり、私は衝撃のあまりショーケースの前に立ちつくした。

なんだ、なんだ、このキラキラした感じは!まるで、天使が集団で飛び回っているようではないか!まぶしい!!私にはそう見えた。

チョコレートケーキ、メロンケーキ、バナナクリームパイ、ミルクレープ。色とりどりの美しさはもちろんのこと、その大きさに驚いた。デカイ!どれもが通常のケーキの2倍はある。

…一瞬で、恋に落ちた?

次の日から、私は毎日「ハーブス」に通い、ついには店のケーキを全種類制覇した。「ハーブス」で過ごすひとときは、心と体を解放できるかけがいのない時間となった。

「どうか、『ハーブス』が東京に来ますように」と、私は願い、念じ、祈った。

そして、数年後。
わーい!六本木ヒルズに来ちゃった!!
もう、狂喜乱舞、号泣である。友人を連れて、さっそく店を訪ねた。メロンケーキを口にした私は、「ああ、この味だ…」と、陶酔状態。あの頃と同じ優しい甘さが、しみじみと体に沁み込んでいくようだった。ああ、幸せ。

かつての戦いの日々は終わったが、私の「恋」はまだまだ続いている。天使の集団飛行に会いに、「ハーブス」に行こう!

プロフィール

白川ゆり

CASA DE XUX代表/アロマハンドセラピスト/アロマテラピーアドバイザー
2009年~ マヤの聖地を巡るワールドツアーに参加。パレンケや先住民が住むラカンドン村等、数々のマヤの聖地を訪れる。
また、国内外のマヤの儀式において、火と香りで場と人を浄化する「ファイヤーウーマン」を務める。
2011年~ マヤの伝統的な教えを伝えるワークショップを開催。
マヤカレンダーからインスピレーションを得たオリジナルアロマミストシリーズ「ITSUKI」を制作。

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