エッセイ

47都道府県 イラストで名所巡り♪

鳥取県「鳥取砂丘」秋

40回目は鳥取県『鳥取砂丘』です。

今回もいつか行きたい場所、鳥取県『鳥取砂丘』を描くことにしました。

山陰の鳥取県はいつか行きたい場所の一つでした。鳥取砂丘と併せて砂の美術館も訪れてみたいです。他にも三佛寺や浦富海岸、水木しげるロードと記念館も気になる名所です。

今回も短編創作小説を書きました。
絵を見ながら小説を読みながら旅した気分になってもらえたら嬉しいです。

「ラクダに揺られて」

じりじりと照りつける太陽、秋なのに真夏のような暑さだ。今年は台風、雷、大雨・・・と異常気象が続いている。温暖化の影響が大きいのだろう。日本は四季によって風情を感じられていたのに、最近それが無くなってきいているのが残念でならない。

今、私は鳥取県の鳥取砂丘にいる。まさにジリジリと照りつける太陽と戦っているのだ。素手で砂を触ると、あつっ、、熱い。暑い日は砂の表面温度が60度を超える時もあり低温ヤケドになる恐れがあるそうだ。ここは日本とは思えない、まるで物語の世界にいるようだ。

鳥取砂丘は国の天然記念物にも指定されていて、日本で最大級の砂丘だ。「奇跡の造形美」とも呼ばれていて、その理由は、起伏に富み、天候により風紋、砂が崩れてできる砂廉(されん)、砂柱(さちゅう)などの模様があらわれるからだそうだ。

砂漠でラクダに乗ることは憧れだった。ラクダは思ったよりおとなしく砂の上をゆっくりと歩いてくれた。風を感じながら、お気に入りの黄色いストールがふんわりと風になびく、まるで映画の中の主人公のような気持ちになった。

映画「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」を思い出した。考古学者のインディはお宝である聖杯を探索中、父親が失踪してしまう。聖杯と消えた父親を探す旅の途中にナチスや悪の組織と戦うという、アクションとアドベンチャーを兼ね備えた映画だ。実際の舞台になったのはヨルダンのペトラ遺跡だそうだ。

ラクダに乗りながら、気分はすっかりインディ自身となって、勇敢な気持ちになり背筋が伸びる。ラクダに乗ると視線が高くなり遠くの景色を見ることが出来た。砂丘の先に広がる青い海の水平線と金色の砂丘のコントラストがあまりに美しくて、自然と涙が溢れた。美しいものを観ると心が震えると言うが、このことかもしれない。心が癒され満たされるまでじっと砂丘と、その先にある海を眺めていた。

プロフィール

本山浩子

東京都出身 イラストレーター 人物のハッピーでキャッチーなタッチと風景の和む優しいドラマを感じるタッチで出版・広告等で、大人から子供向けまで幅広い世代に愛されるイラストを手掛ける。2013年に読売新聞夕刊で毎週「本山浩子の駅前とことこ」で散歩イラストエッセイも連載。
47エッセイでは旅に出たくなるような47都道府県の名所のイラストを楽しく描き綴る。
MH-Alegria

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