第3回「エルトゥールル号からの恩返し 日本復興の光大賞17」表彰式
レポート
トルコは親日的だといわれます。
それは、第二次世界大戦よりもっと以前のお話で、明治時代に和歌山沖で軍艦エルトゥールル号の爆発事故が起きた際に、日本が多くの遭難者を救ったことにトルコが強く恩義を感じ、以来、友好親善の礎が築かれてきたとされています。このときの出来事は『海難1890』(2015)という映画にもなっています。
恩義に篤いトルコは、3.11の際にも官民双方で支援を惜しみませんでした。
さらに日本在住のトルコ人の団体である「日本トルコ文化協会」では、震災から数年が経過し、災害の記憶が風化することを懸念して2015年から「日本復興の光大賞」を創設。復興のために尽力する民間団体にも光を当てようという想いから実現したものです。
そして今年、先日2月27日に東京・元赤坂の明治記念館にて第3回「エルトゥールル号からの恩返し 日本復興の光大賞17」授賞式が行われ、ジャーナリスト池上彰さんらによって、4団体が表彰されました。
日本トルコ文化交流会理事長、ウグル・ユジェル氏
審査委員長の池上彰氏とTEDIC 門馬優代表理事
<大賞>
<特別賞>
トルコの子どもたちによる合唱
各審査委員からはそれぞれに選ばれた理由が、そして各団体の代表からはこれまでの経緯や活動報告が切実に語られ、会場全体が被災地への支援に向けひとつになった瞬間でもありました。
表彰に続いて、トルコと日本の民族楽器の合奏に合わせてトルコの子どもたちが可憐に歌う「花は咲く」などの楽曲、またトルコの民族舞踊なども披露されました。
多くの日本人たちが震災の記憶を少しずつ過去にしはじめてしまっている今、さまざまな支援団体の活動もさることながら、日本在住のトルコ人たちが親身になってあたたかい支援をしてくれることに、しみじみと感謝の気持ちを覚えずにいられません。
宮本信子審査委員と絵本プロジェクトの末盛千枝子代表